山形における近世江戸時代の書籍の流通状況について、往来物資料の出版地域を通して考察検討した。往来物は、寺子屋などで手習いのために使用された教科書の類の総称であるが、近世江戸時代には様々な種類のものが出版され、東北地方にもそれらの所蔵が確認されている。本稿では、特に山形県立博物館の教育資料館に所蔵されている文献資料を中心に出版地域別に分類整理した結果を提示した。特徴的な傾向をみるために、同じ山形県内の日本海地域にある酒田市立光丘文庫所蔵の往来物資料との比較を試み、その共通性と相違性についても言及した。山形県下においては、日本海沿岸部と内陸部における書籍の流通事情が相違しており、日本海域では関西文化の影響が大きく、内陸部では江戸文化の影響が大きかったらしいとの結果が得られた。出版地域に焦点を絞っての検討を通して、江戸時代の東北地方における、文化の流入や定着の傾向を考えようとしたものであり、今後の研究基盤になるものといえる
publisher奈良 本報告は、桑山氏によって築かれた陣屋ならびに陣屋町の形態をみたうえで、桑山氏改易後の史料を検討しながら、永井氏の新庄について検討し、新庄陣屋と「町」の形態について明らかにしてい...
[[abstract]]唐通事教材為日本江戶時期(1603-1867)中日通商的時代產物,內容與形式皆有特定風貌,除了基本的中國語言學習之教育取向外,並保留了當時中日通商交流的若干史料,其中《養兒子》...
publisher奈良平成4年度、5年度の文学部プロジェクト研究において、筆者は奈良、大和を舞台とした講談資料を調査収集してきた。この作業の最終的な目標は、それらの作品に見られる庶民の視点での大和像を...
publisher奈良記紀万葉等の最古の文献に遺る、漢語およびごく一部の半島出自と見られる語以外の言葉は、総じて一般にヤマトコトバ(和語)と呼ばれている。それらに、平安初期のかな資料等も含めて、判る限...
publisher奈良本稿は、大和国山辺郡小山戸村(奈良県山辺郡都祁村大字小山戸)の北家の、元禄期頃の人物、北吉品の記録についての小論である。吉品は、同村の庄屋であり、また、当地域二〇か村の大庄屋でも...
奈良の言語研究者宮武正道は、従来マレー語の専門家と考えられていたが、残された旧蔵資料を見ると、彼がマレー語に至るまでに辿った「語学道楽」の跡が明らかになった。中学校時代、切手蒐集の延長として始めたエス...
学習院大学図書館書庫には『華族会館寄贈図書目録』が眠っていた。この中の寄贈者欄に「徳川家寄附」とあるのに着目したのをきっかけとして、徳川宗家旧蔵書の学習院への伝来の経緯と、その事実が現在まで伝わらなか...
山形県立博物館の教育資料館に所蔵されている文献資料について調査を行い、特に近世期江戸時代に作成された往来物資料の所蔵状況について検討考察した。その結果、確認できた所蔵資料数は109本を数え、写本も加え...
本稿は、学習院大学が所蔵する高松松平家旧蔵書についての調査報告である。まず、学習院大学図書館所蔵図書のなかから、蔵書印などを手がかりにして34 部2, 905 冊を特定し、その目録を作成した。あわせて...
publisher奈良 2000年代以降、中央政府による地方分権政策は、自治体合併により地方自治体の経営環境を大きく変える一方、住民による自治振興組織の編成を促すことで「住民自治」の推進を支援した。公...
「ethics」の訳語である「倫理学」は、明治期に新しく定着した語である。その受容と展開をたどるには、「ethics=倫理学」と「国民道徳」の関係を明らかにすることが必要になる。本稿では、まず『明六雑...
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本稿は近時、大阪教育大学小野研究室蔵となった新出の大阪版おもちゃ絵資料を影印と翻刻によって紹介し、そこに摺られた歌謡の位置付けを行う論考である。おもちゃ絵は江戸時代末期から明治時代にかけて盛んに摺られ...
敦煌文献の中には、願文と称せられる一群の漢籍が含まれている。本来は仏前において叶えたい望みを祈禱するために唱える文章を指し、上代日本にもその作成の形跡が認められる。願文の原型なるものがほとんど敦煌文...
Publisher奈良「高祖大師秘密縁起」は、弘法大師空海の伝記を主題とする絵巻の一系統である。その成立は十三世紀後半と推定されているが、現存作品は少なく、管見の限りでは五件が紹介されているにすぎない...
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